report
2011年12月06日 18:24
自分自身と向き合う
13期最後のゲストは力の源カンパニーの
河原成美さんです。
教室にて河原さんご自身がラーメンを
ふるまってくれるなど毎回ユニークなセッションをしてくださる河原さん。
今回も熱い熱いセッションになりました。
今や日本国内で60店舗あまりを展開する中、
ニューヨークを筆頭に香港・シンガポール・韓国へも出店されています。
今回は海外事業専門に担当されています山根さんにもご登場頂き、
海外のマーケットへの出店について語って頂きました。
まずは細かな街のリサーチし、その国の文化や価値観を
入念に調査することからスタートします。
例えばニューヨークでは、ウエイティングバーを作って
お酒を楽しんだ後ラーメン以外の食事も楽しめる
ラーメンダイニングという業態にて出店しています。
また、ラーメンのスープの原料になる豚頭など
日本では手軽に手に入る材料がそもそもその国にはなかったりするため
材料の確保という面も非常に難しいそうです。
醤油の値段が日本の数十倍の価格になっていることは、クルーも非常に驚いた様子でした。
各国に合わせた麺の製造や味付け、それ以外にも様々でかつ緻密な準備がされていました。
日本のラーメンを知らない人たちにどう伝えていくか。
そのミッションと海外での事業展開を行う先駆者になってくという使命感があると
山根さんも河原さんもおっしゃいます。
それぞれの国に合わせたラーメンには、批判的な方もいらっしゃるそうです。
しかし河原さんは
「私たちはお客様にお出しするものは本気で心をこめて作っています。
何にも恥ずかしいものはお出ししていません。」と力強く語ってくださいました。
手軽に食べているラーメン一杯には、様々な苦労や想いが詰まっていることを
改めて知ることになりました。
また河原さんは国内外で大きく事業展開をされている現在でも
自分自身と向き合うことを忘れていません。
創業当時河原さんは様々な目標設定を自分に課したそうです。
「それ以前の自分に戻りたくない。」その思いがご自身を動かしました。
自分で課した目標を続け、達成することによって内側にいる自分自身が
認め、そして応援してくれる。
結果周りの人々も認めてくれるのです。
何かと理由をつけて、目標や現実から逃げてしまいがちですが
小さな目標でもいいから続けること。そこには並々ならない強い意志を感じました。
最後に、店舗を大きく展開することで次第にチェーン店と呼ばれるようになってきたそうです。
しかし単なるチェーン店ではなく個店化していかねばならないと河原さんはおっしゃいます。
地域のコミュニティの場になり、貢献していくこと。
具体的に3つの地域貢献をすることを店舗に委ねているそうです。
小さなことでも何でもいい。始めること、続けることで人々の心を掴んでいくのでしょう。
河原さんが大事にされている「人」と「自分自身」に対して
大きく突き動かされたセッションになりました。
(原田)
2011年12月06日 18:21
パンケーキが大好きなんです
ゲストは三軒茶屋で大人気のパンケーキ専門店「VoiVoi」を
経営する阿多笑子さんです。スクーリング・パッドの
卒業生でもあるので、リアルなお話がうかがえます。
「実は三軒茶屋エリアで、食べログのアクセス数が
一番なんですよー」
決して自慢ではなく、みんなが興味を持ってくれるのが
素直にうれしいというニュアンスで、
まずは話し始めてくれました。
阿多さんがパンケーキの店を開きたいと
本気で考え始めたのは2005年のことですが、
その当時は今のようにパンケーキが
市民権を得ているわけではありませんでした。
色々な人から「本当に商売になるのか?」と心配されながらも
その実現を模索し始めました。
大きかったのはブログの存在です。
自らを「パンケーキママ」と名乗り、
おいしいパンケーキの食べ歩きレポートや、
自宅での試作の様子などをアップしていくと、
次第にブログのアクセス数は増えていき、
世の中には自分以外にもパンケーキ好きが
たくさんいることを実感したそうです。
そして、2度にわたる「1日カフェ体験」に
多くの人が集まってきてくれたことで
さらにその自信が深まります。
けれども、ただの夢物語ではなく、
冷静にプロフェショナルの目を持っていたのが
阿多さんの素晴らしいところです。
「家でも食べられるものを提供しては意味がないんです。
わざわざ来てまで食べたいと思ってもらえるものを
どうやってつくるかが大切だと思います」
そしてその視点を形に落とします。
・入手困難な素材をあらかじめレシピに加える
・高性能のグリドル(焼き台)を設置する
・焼く技術を磨き、焼き立てを提供する
・甘いもの以外の「食事系パンケーキ」をメニュー化する
などなど。
元々ライターの仕事をしていた経験によって
「どうしたら人は反応してくれるか?」を
しっかりと考えていたことが大きなポイントだったようです。
けれども、そうした「きちんとした戦略」も
パンケーキに対する深い愛があってこそ生きるもの。
「パンケーキは人を幸せにする食べ物だと思うんです。
私にとって、パンケーキづくりは仕事というよりも
趣味に近い感覚。とにかく大好きなんです」
自分が心から「好き」と思えるものを、
きちんと「商売」として成立できるように掘り下げる。
ここには、飲食店の原点があるように感じます。
(子安)
2011年11月30日 16:07
共に戦う力
ゲストはAPカンパニーの米山久さんです。
今やメディアで見ない日はないというくらい、
第一次産業との連携で注目を浴びている米山さん。
飲食業界において、独自のフィールドを生み出した
米山さんに創業から今日までについて語って頂きました。
米山さんが飲食店として独立したのは30歳の時で、
当時は創作料理ブームや大手チェーン店の安心感や
知名度が優先される時代でした。
どうしたら選んでもらえるのか
何をお客様に届けたいと試行錯誤しているうちに、
生産者から直接仕入れることによって安価でお客様に
提供できるのでは?と考えたそうです。
その際に提供していた地鶏に着目したことがスタートでした。
生産者から直接仕入れることは、本来仕入れる必要のない部位まで
抱えてしまうこともあり、ロスを生んだり、在庫を抱えるリスクもあります。
生産者と直契約をするというところまでは、リスクはあるものの
まだ発想に至る範囲なのかもしれませんが、米山さんは
ご自身でも宮崎にて農場を運営しています。
実際に何度も宮崎に足を運ぶことで、
第一次産業が抱える、後継者や様々な問題を知ることになりました。
生産者の方々と触れ合うことで、「この人たちのためにも頑張ろう、そのためにはもっと店を出そう」
そう思い、それが米山さんの原動力になったそうです。
実際に農場を経営することによって、宮崎に100名あまりの雇用を生みだし
地域活性化につながっています。
また全国の中でも知名度のあるブランド鶏ではなく、
まだ当時メジャーではなかった宮崎地鶏に着目した点も大きく異なる点だと思います。
お客様に届けるのはお店の中だけのサービス・お皿の上のパフォーマンスだけではない。
生産者の方たちの「想い」までも届けることによって、提供するお店の従業員も
お客様に伝える言葉が変わってきます。
「本気」の度合いが違うと米山さんはおっしゃいます。
実際にアルバイトにまで生産の過程をしっかりと伝えるられるように
教育にも力を入れています。
お客様を喜ばせながら、第一次産業の活性化をし結果、事業が社会貢献になる。
ただ単なる産直居酒屋ではなく、現地に根をはって子会社を作ることで
様々な情報が集まり、一緒に切磋琢磨していくことで、
より強いメッセージ性を発信することができるのでしょう。
まだまだ地方には沢山の宝やヒントがあるとおっしゃいます。
今度はどんなものが登場するのかとても楽しみです。
(原田)
2011年11月29日 17:35
弱者の戦略
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ゲストは豚組をはじめ繁盛店を経営する
グレイス代表の中村仁さん。飲食店経営者として、
そしてソーシャルメディアの第一人者として
色々語ってもらいました。
今でこそ「繁盛店」を経営している中村さんですが、
一号店の開業当初は相当に苦労されたそうです。
「『成功』にはたまたまという側面もあります。
でも『失敗』にはきちんと理由があることが多いんです。
ですからそれをお伝えすることは、
似たような失敗を避ける上で、
きっと皆さんの役に立つと思います」
こうして自身の失敗について丁寧に話をしてくれました。
中村さんは居酒屋を始めるにあたって、
当然ですが、お客さんが喜んでくれるであろうことを
色々と試していきました。
・品揃えを豊富にする
・できるだけ売価を下げる
・定休日をなくし営業時間も長く
どれも1つ1つの要素を見てみれば間違っていなそうです。
けれどもどんなに努力をしても繁盛しませんでした。
そしてある時、気付いたのです。
「そもそもすべてが間違っていたのではないか。
自分がやってきたことは大手企業のやるべきことばかりだ」と。
個人店が大手企業と同じことをやっても仕方ない、
大手にはできないことこそやるべきだと考えを切り替えます。
・品揃えをしぼって自信のあるものだけ提供する
・売価にこだわらず、多少高くても売りたいものを売る
・休む時はしっかり休んで英気を養う
などなど根本的なことを変えてから
お店はぐんぐん驚異的に売り上げを伸ばしていったそうです。
これこそが「弱者の戦略」だったのです。
一握りの大手以外はこの弱者の戦略を採用するのが
むしろ正解なわけですから、中村さんの示唆は
まさに万人に通じるものと言えるでしょう。
さらに後半では、飲食店と情報というテーマでも
鋭い指摘を続けます。
「これまでの飲食業界には、お店とお客の両方が
幸せになるような情報ツールはありませんでした。
けれども、新規顧客の獲得だけではなく、
リピーターを増やすということに目を向けると
もっと違う形のサービスがあるはずです」
そして実際に、先日は「miil」という
iPhoneアプリをリリースして、
新たな方向を模索しはじめています。
飲食店経営者としての顔と、
ソーシャルメディアの第一人者としての顔、
そんな二つの顔を併せ持つ中村さん。
次にどんな手を打つのか大変楽しみです。
(子安)
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2011年11月29日 14:19
飲食店の使命
ゲストはゼットンの稲本健一さんです。
第一期より連続して登場頂いている稲本さん。
企業のきっかけから
飲食店に対する「想い」までお話頂きました。
稲本さんは学生時代バーテンダーとして働いており、
仕事は楽しかったそうですがご自身で飲食店をやろうとは
思ってもいなかったそうです。
その後デザイン事務所で働く傍ら、ご自身で夏季限定のビアガーデンを
プロデュースしたことがきっかけでした。
当初は天候に左右されたり近隣住民からの
苦情など、順調とは言えずとても大変な思いをしたそうです。
しかし徐々に口コミなどで広がり、最終日には
近隣は大渋滞で警官が交通整理に出動するまでの
大盛況になりました。
自分が創ったもの・空間に、
人が集まり、そこで人が繋がっていく。
その時に鳥肌が立つほど感動した想いが今でも
忘れられないと稲本さんはおっしゃいます。
「飲食店をやっているとマンネリしてしまうこともあると思う。
そんな時は、自分たちの役割は何なのか
何をしたかったんだろうと立ち止まって見つめなおして欲しい。」
と語ってくださいました。
現在も稲本さんは、プレゼンテーションのためではなく、
自分自身のためだけに企画書を作っているそうです。
形として残しておくことによって、
自分たちは飲食店を通して何を届けたかったのか、
どんなお店にしたかったのかを正確に振り返ることでき
結果お店も自分自身もブレがなくなるのです。
震災後、街から人が消え飲食店が一時閑散とした時、
稲本さんは飲食店は本当は必要な存在ではないのではと考えたそうです。
しかし徐々に街に人が戻ってきた時、
人が集い、そこでまた人が繋がっていく。
街の賑わいを創り出していく、その場所は飲食店しかない。
それが我々の使命だ。
そう確信したそうです。
最後に、飲食店という舞台を通して何を届けていくのか
その使命に誇りを持って頑張ってほしいと力強く励ましてくださいました。
クルー自身も飲食店に携わりたいと思った原点を
思い出させてくれる熱いセッションになりました。
(原田)