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2012年12月10日 16:52

健康な野菜が美味しい

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ゲストスピーカーは久松農園の久松達央さんです。
「健康な野菜が美味しい」を栽培コンセプトに、
年間50種類の露地野菜を農薬・化学肥料を使わずに育て、
直接お客様に販売していらっしゃいます。

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もともとは田舎暮らしが好きという
漠然とした理由から脱サラして就農を考えたそうですが、
研修中に、売る事とつくる事は一体であると感じたことや、
農業は夫婦でするものと言われたことへの違和感から、
一人で消費者直販を行う道を選択したそうです。

久松さんにとって有機農業とは「生き物の仕組みをいかす農業」であり、
無農薬・無化学肥料は、あくまでもその「手段」に過ぎないと語ります。
農薬を使わない安全な食べ物を消費者に、と掲げる生産者が多い中、
それはものづくりの方法であって、無農薬そのものに価値はない、
と言い切る久松さんに、クルーも衝撃を受けます。

そして、有機農業3つの神話の
1.有機は安全
2.有機は美味しい
3.有機は環境によい
は、必ずしもそうではないと続けます。

例えば、なぜ有機野菜が美味しいのか?
それは有機野菜が結果的に品種・時期・鮮度を満たしているからであり、
有機という栽培方法だけが寄与しているわけではありません。
適した時期に、適した品質を育て、鮮度よく届けることが大事であり、
そのため、畑から玄関までが有機農業ととらえているそうです。

有機野菜は、安全な野菜ではなく「健康な野菜」であり、
有機農業は、作物を美味しく健康に育てる近道である。
久松さんが目指しているのは、滋味のある野菜作りと語ります。

漠然とした有機農業のイメージを良い意味で壊し、
そして丁寧に説明してくれる久松さんの話に、
クルーも引き込まれていきます。

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現在は無農薬・多品目・直販で、
個人宅配や飲食店へ販売されていますが、
そのスタイルは、決して楽なものではありません。
その面倒で誰も手をつけないということが、
結果として差別化になっていると語ります。

また自らの生き残り戦術として、
・安売りの土俵には乗らないこと
・ニッチな商品ほど全体をみて引っかかりの多い商品とすること
・若さプレミアムのある短い期間に自分の売りを見つけること
などについて、話していただきました。

また久松農園では、スカイプやGoogle Docsなど、
IT技術も非常によく活用しているようですが、
知識のデータベース化など足りない部分があると、
農業周辺サービスについてのヒントもいただきました。

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自らネットワーク力や発信力が強みであると語るように、
久松さんは様々な勉強会なども主宰されるなど、
横の繋がりも大事にされています。

これからの農業を牽引するリーダー格的存在として、
新しい有機農業の形を作っていかれるのでしょう。
これからの日本の農業が楽しみになる講義でした。

(山田)


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2012年12月10日 16:51

未来からの前借り、やめましょう

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本日のゲストは株式会社坂ノ途中の小野邦彦さん。
「未来からの前借り、やめましょう」というメッセージを掲げ、
関西を拠点に農薬や化学肥料不使用で栽培された農産物の販売を通して、
環境負荷の小さい農業を実践する農業者を支えていらっしゃいます。

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小野さんは学生時代にバックパッカーで旅行中、
都市と農村の感覚の違いに気付いたそうです。
都市では人間が自然をコントロールできると思っているが、
農村では自然とは畏怖の対象であり自然に合わせて生きている。
都市は持続不可能な社会なのではという違和感。
そんな違和感を表現できる仕事がしたいと感じ、
それが人と自然の結び目になっている農業ではないかと
思ったそうです。

農薬や化学肥料を多用した豊作は、
地力を低下させ未来の豊作を食いつぶします。
環境負荷を減らした農法で新規就農したい人がいるのに、
売り先がないから続かないという現状。
その現状を自分たちで変え、
売れる仕組みを作ることに取り組みます。

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まずは就農一年目の人と組み、
飲食店向けの「野菜提携事業」を始めました。
利益も低く、注文が厳しいわりに使用量も少ないのですが、
他の八百屋がやらないので入る余地があるのではないかと思ったそうです。
またレストランで使用してもらうことで、野菜に付加価値がうまれます。
そこから移動型店舗を始め、ネット通販の需要も増えていきます。
また少量しかできない野菜を売るための場所として、
出荷場を八百屋として活用する店舗も作りました。

小野さんは決して積極的に買ってくださいとは言わないそうですが、
伝えたいことや、大事にしているメッセージに「共感」してくれた人によって、
安定的に伸びているそうです。

また国内での販路開拓だけではなく、
提携農業者が栽培した農産物の輸出にも取り組んでいらっしゃいます。
現在は、ごま油の企業と連携しながら、
アフリカでのゴマの契約栽培にも取り組んでいるそうです。

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どんなビジネスでも自分の軸があるからこそ、
まわりに振り回されずにいられる。
譲れないポイントが明確にあることが大事だと
小野さんはおっしゃいます。

将来の世代に負担をかける生き方はカッコ悪いと言う小野さん。
これからの世界をまたに掛ける活動が楽しみでもあり、
ますます目が離せないと感じる講義でした。

(山田)


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2012年11月15日 16:17

引き受けて考える

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ゲストスピーカーはNPO法人地域再生機構の平野彰秀さん。
岐阜県郡上市の集落・石徹白(いとしろ)に移住し、
小水力発電など自然エネルギーの導入と、
地域づくりに取り組んでいらっしゃいます。

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平野さんは大学時代に都市計画を専攻し、
地方でのワークショップやイベントなどをしていたそうですが、
いずれも長期的に関わることができなかった経験から、
「どこかの地域に入りこんでしまった方が良いのではないか」
という想いをもったそうです。

就職してからもピンとくるところをずっと探していたところ、
岐阜で、地元に根差して自ら事業やっている人たちに出会い、
東京で出逢った人たちよりもずっとカッコいいと思ったそうです。
それが、移住のきっかけとなりました。

また平野さんは、経営コンサルタントの仕事を通じて、
いずれは資源・エネルギーの限界が来て、
自然エネルギーしか頼れない日がやってくると感じ、
その時に向けて何かしなければいけないと思っていたそうです。

そこで、地域の豊富な天然資源を活用し、
かつ地域内での循環を構築することで、
持続可能な地域社会を作っていきたいと考えました。
また地域でエネルギーを自給することで、
地域から外に流出するお金を取り戻すこともできるし、
さらには地域内での雇用が生まれます。

そこで平野さんは水力発電ができる場所を探し、
人口250人の集落・石徹白にたどり着きます。

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石徹白には、かつて水力発電があったのだそうです。
当時はまだ東京で働いていたという平野さんですが、
「ここには自分が一生かけてやっていく材料がたくさんある」と、
ピンときて会社を辞め、小水力発電の導入に取り組み始めます。
3年後位には集落をまかなうような規模の
小水力発電所を作りたいと熱く語ります。

また小水力発電ができたことで、
石徹白には月に200人ほどの人が見学にくるそうです。
そこで地元の若者たちでHPをつくったり、
カフェで地元の食材の料理を提供したり、
また特産品の開発などにも意欲的に取り組みます。

平野さんのようなコーディネーター役が地域に入ったことで
地域の人が同じビジョンを共有することができ、
楽しみながら地域を盛り上げることにつながっているようです。

任せて文句を言うのではなく、引き受けて考える。
大きなシステムでの解決ではなく、現場で1つ1つの物語をつむいでいく。
元々持っていた大切なものを実感できる社会に
なればいいと平野さんは語ります。

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かつての日本の集落は、持続可能な社会でした。
人と人とのつながり、人と自然のつながり、人と神様のつながり。
それらを大事にしてきた日本という国。

自然に対して「ありがたい」と感謝することが日常的であるという石徹白が、
これからの社会のあるべき姿を示してくれているような気がしました。

(山田)


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2012年11月15日 16:14

命をいただく食文化

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ゲストはトータルフードプロデューサー小倉朋子さん。
トレンド調査、食育、食文化、伝統食など
幅広い食の提案を行っていらっしゃいます。
食の伝承をコンセプトに手がけたメニューでは、
フード・アクション・ニッポン アワードを受賞されました。

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小倉さんは、さっそく今の食文化の問題点を指摘します。
最近は、家庭の食卓にごはんがあがらなくなってきていることから、
ご飯茶碗にごはんを入れる習慣が無い人がいること。
また、主食、主菜と分けてないので、取り皿のない家庭が多いこと。
料理ごとに食器を分けるのは日本だけだそうですが、
それも今となっては過去形になってきているそうです。

また、箸を正しくが扱える人も少ないと指摘します。
箸食の国は世界で30%ありますが、
その中でも日本だけは、かつて神器(神様用)として使われたりなど、
独特な使い方をしているそうです。

そして自分専用の箸があるのも日本だけで、
それは箸に魂がうつると考えられていたからだそうです。
箸はただの食べる道具ではないと、小倉さんは話します。

木の命をいただいて食べる道具にする。
それを使って、また命をいただく。
「いただきます」の意味は、
あなたの命(目の前の動植物の命)をいただいて、
生きさせていただきます、ということです。

命に上下はない、という考え方。
こんな誇り高い食べ方をする国は他にはなく、
「いただきます」という言葉は、他の言語には訳せません。
この食文化を途絶えさせないようにしないといけないと、
小倉さんは熱く語ります。

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メニュー開発についてのアドバイスでは、
福島のホテルのビュッフェメニューの開発事例を
お話しいただきました。

地域には野菜などの食材がたくさんあるのに、
道の駅くらいしか見せ場が無かった。
そのため、旅館やホテルを農産物を紹介できる場所にすることで、
そこで商談ができ、販路につながることをテーマとしたそうです。

それが様々な人の評価を受け、
今では農業関係の人が直接料理長に野菜をもっていき、
メニュー開発に関わっているそうです。

その他に、米粉を使ったドーナツなど、
興味深い事例もご紹介いただきました。

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いいものを選択できる感覚が危うい現状なので、
日本人の食への向き合い方を見直すことが大事と、
小倉さんは話します。

島国であり、四季がある日本だからこそ、
独自の工夫が生まれてきた日本の食文化。
文化の側面からこれからの農業を考えるきっかけとなりました。

(山田)


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2012年11月15日 16:13

地域のデザイン

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ゲストスピーカーはサコダデザイン代表の迫田司さん。
四万十に移住して、地元の特産品、加工品などのデザインや
地域プロジェクトを手掛けていらっしゃいます。

四万十川流域の水でつくられた「山間米」プロジェクトでは、
昔ながらの紙の米袋でグッドデザイン賞を受賞されました。

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迫田さんはこれまで、
「地元にあるものをこんな風にみたら魅力的になる」ということを、
地元の人たちと話し合いながらプロダクツ作ってきたそうです。

例えば最近手がけているのは、
「県境がNice!!(ないっす)」プロジェクト。
四万十は愛媛県との県境に位置しているので、
暮らしと文化が交じり合っている地域。
その県境エリアを新しい産地(=県境ベルトライン)とした、
「道のブランド化」による地域活性プロジェクトだそうです。
迫田さんの視点のユニークさに、クルーからも笑いが起きます。

またデザインをするときは、いつも地域の人と一緒に
ワークショップスタイルで行うそうです。
大事にしているポイントは、
・ローカル(足元にあるもの)
・ローテク(自分の手でできる)
・ローインパクト(環境に負荷をかけない)
であること。
そして、当たり前すぎて見えない「てまひま」で展開していくと話します。

またデザインで採用するコピーも、
現場の誰かが言った言葉がほとんどだそうです。
自分では仕組まず、地域の人から出てきたものを伝えるのがいいと言います。
時にはお酒の席での言葉もデザインになるそうです。

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都会の皆さんが思うほど、田舎はそんなに疲弊していないと、
迫田さんは話します。

一方で、後継者問題は現実にあるそうです。
でも若い人にいきなり「後継者」の話すると引かれてしまう。
そこで、まずは「中継者」として関わってもらうことを大事にしているそうです。

「間を繋いでくれる人を募集し、その中から1、2人の後継者が生まれればいい。
 まずは、農村に入り込んで、体感し、地域の人に関わってもらうことが大事」

また外部からきた人間では、地域に信頼されるまで何年もかかるため、
その地域の人がデザインしたほうがいいと話します。
迫田さん自身、地域に入り、自身で田んぼを始めてから、
デザインに対する考え方も変わり、仕事の幅が広がったと言います。
そして、何事も始めたら回りだすと、クルーにエールを送ってくれました。

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月日を経て地域の人たちと共にものづくりをしてきたという姿勢が、
迫田さんのデザインが四万十の土地と人々に溶け込んでいる理由なのだと
あらためて感じました。

そして現在も多数のプロジェクトが進行中。
迫田さんの今後の展開に、引き続き注目です。

(山田)


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