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2012年01月10日 12:48

アイデアとそれを体現できる技術

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今回のセッションは現在公開中『ハードロマンチッカー』の
グ・スーヨン監督にご登壇いただきました。

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ご存知の通りグ監督は数々の名作CMを手掛けたCMディレクターでもあり、
自身の映画の原作も書かれておられるわけですが、まずグ監督は
そんな自身の生い立ちやこの業界に入った経緯、小説を書くに至った経緯、
自身の性格や映画の裏話などをお話して下さいました。
そのお話が面白い!

今回のハードロマンチッカーも自伝的映画ですから嘘のような本当のお話がどんどん出てきて
監督の人生だけでも何本もの映画が撮れるだろうと思うほどでした。
特に興味深かったのはグ監督の一週間の生活でした。
グ監督は20歳からずっと週に10本の映画を観て、10冊の本(小説を除く)を読み、
10枚の音楽アルバムを聴くということを続けているということです。

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これだけの量を1週間にこなすというのは容易ではありません。
忙しい生活の中で寝る間も惜しんで何故それだけの事をしているのかとクルーが質問すると、
「それは学習するため」と。
「クリエイティブな仕事をするためにはまずアイデアが絶対に必要。
人間は頭にあることしか出てこない。
アイデアが無ければ何も生まれない」
さらに「役者はそのアイデアの引き出しを自らの体で体現出来なければ意味がない。
いつでもそれらを引き出せるスキルが必要だし、そのためには訓練が絶対に必要だ。」
と仰っていました。
シーンによっては感情が絶対に必要な場面は出てきます。
現場では沢山の人が見ている中で自分をさらけ出し感情を出さなければならない場面が出てくる。
その時に必要なのは日頃の訓練であり、自由に感情を引き出せるように自分を分析する必要がある。
グ監督は一流の俳優であればあるほどそういった努力をしていると仰っていました。
僕たちよりはるかに忙しいグ監督や、一線で活躍している俳優が
今でもそういった努力をしている事にクルー達も
自分の生活を見つめ直すきっかけになったのではないでしょうか。

そしてセッションに入っていきました。
今回の課題は3人芝居だったのですが、日常ではほぼ触れることのない
拳銃が出てくるというシーンでした。
拳銃に対してのリアリティも今回の課題の大きなポイントだったと思います。
グ監督はまず何も言わずクルー達に自由に演じさせ3人のキャラクター、個性、芝居からヒントを得て
演出していくというスタイルでシーンを組立て行きました。
グ監督が特にポイントに置いていたのは“キャラクター”でした。
芝居を観て感じ取ったその時の3人のバランスに合ったキャラクターの印象やイメージ、アイデアを伝える。
声の高低差や態度や雰囲気など。
聞いていて今まで来られた監督と少し違うなと感じたのはグ監督が描いているだろうイメージでした。
それはCMという短い時間の中で観客を楽しませ印象付けなければならないという
フィールドで活動されていることからくるのか、まずは観客がそのシーンを見ていて
楽しい面白い、ということに今回の課題では重点を置いていたように思います。
グ監督のイメージを共有しイマジネーションが働いてきたクルーは
どんどん面白い芝居になっていきました。
その時“アイデア”というのがいかにそのキャラクターを
際立たせ面白いものにするか実感させられました。
アイデアや引き出しが頭の中になければ監督の演出にも答えられないし、
ヤンキーっぽくと言われてただステレオタイプに言葉遣いを変えたり、
相手に反抗するような態度を取るだけでなく、もしそこに瞬間的に
“アイデア”が思い浮かぶならばそれはそのキャラクターの癖に見えるかもしれないということである。

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その俳優にしか作り出せないキャラクターになったかもしれないと感じました。

グ監督は仰りました
「観る人を納得させるために演じる。そのためには自分が納得したものでなければならない。」
時に俳優は感情やリアリティに固執し自分よがりになり観る側の事を忘れてしまう事があります。
もちろん感情やリアリティは重要ですが、俳優が俳優として存在していられるのは観る人がいるという事。それは監督という職業も同じだと。観客がいなければ俳優は存在し得ないということを
グ監督は今回のセッションで教えてくれたように感じました。
映画監督もCMディレクターも小説家も俳優も全てクリエイトしたものを表現し、
誰かに見てもらう仕事です。そのためにはアイデアやそのアイデアを活かす
技術が必要で、常に進化し観客に何かを与える仕事をするにはアイデアを
生み出すための努力をしていかなければならないなとクルー全員が感じたのではないでしょうか。

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