report
2011年11月09日 10:49
ITを活用した農業経営
第8回のゲストは、農業生産法人新福青果の新福秀秋さん。
農業で他産業並みの安定した収入と生活を実現することを目指し、
大規模で先端的な農業経営に取り組んでいらっしゃいます。

直営農場313ヶ所、農地150ha以上、従業員72名という
大規模な生産法人となった新福青果ですが、
最初から法人化を目指していたわけではないそうです。
元々はサラリーマンだった新福さんですが、
農業を始めてからは土日も関係の無い生活となり、
ご家族からも不満が出てくるようになります。
「奥さんに土日祭日は休みにすると宣言しちゃったんですよ」
そこから、新福さんの「農業経営」が始まりました。
休日をもうけて、雇用を安定させるという、
他産業では当たり前のことを農業でも実現させる。
そのために、会社組織にすることを考えました。
ところが当時は会社として農業をすることに前例がなく、
農協、行政、銀行からは相手をされないなど、
たいへん苦労も多かったそうです。
それでも多くの工夫を重ね、
企業規模を拡大していきます。
例えば産地廃棄野菜の活用。
外見重視の現在の規格では、中身は変わらないのに、
見た目が悪いという理由だけで多くの野菜が産地廃棄になります。
そのロスをA品の価格にのせるところも多いようですが、
廃棄野菜を「もったいない」と思った新福さんは、
それらを活用するために、自ら加工事業も始めます。

そして、農地の担い手がどんどん減少するなか、
「頼まれたら断れない性格」と自ら話す新福さんは、
どんどん農地を引き受け、自ずと規模も拡大していきます。
規模の拡大に伴い様々な問題も発生してきますが、
その解決に「IT」を活用しているところが、
新福さんと他者との圧倒的な違いであると言えます。
例えば従業員の移動にはGPSを活用して「移動の見える化」を行いました。
そうすることで分散している農地への移動ロスの改善を図ったり、
移動中に事故などが発生していないか確認することを実現しました。
またベテランのノウハウを口頭で伝えることには限界があります。
そのため現場の写真とコメントなどをシステムに登録して共有することで、
独自ノウハウやルールを体系化し、収量・品質の維持に役立ています。
ITを活用することで生産、経営、販売の見える化を行い
生産から消費を結ぶバリューチェーンを構築する。
それによって農業フランチャイズ化の可能性も見えてくると話します。

TPPや食糧問題など、日本の農業が直面する課題のために、
大規模に農業を経営していくことの重要性が増していますが、
新福さんはその先頭に立ち、実践されている方なのだと感じました。