report

2010年08月28日 15:24

「うちの米、高いよ」って方が売れる

Report TOP > 農業ビジネス学部

本日のゲストスピーカーは、カフェ・カンパニー社長の楠本修二郎様。
農業に関わるビジネスを展開する上で「資金は?」「土地の人を巻き込むには?」、
様々な角度からヒントをもらいました。


7月のグループディスカッションを機に、クルーの中からいくつものプロジェクトがスタートしています。

 ・Twitterを活用した産直&マーケティングシステムの構築「3now.jp」
 ・農業体験の促進(東京OLを農地に連れて行こう!)
 ・生産者プロデュース
 ・農業ファンド


20100818-1.jpg


など、「おっ!」と感じられるプロジェクトばかり。
メーリングリストや自主MTGを通じて、みな熱心に取り組んでいます。

しかしながら、どのプロジェクトにも必ずといっていいほど
立ちはだかるのが「地域住民や生産者との連携方法」と
「資金集め・収益の上げ方」といった壁。

「農業×○○○」といった発想力、企画書の作成力、ITの活用などを得意とするクルーは非常に多いが、いざ実行フェーズに移そうとするとどうしてもつまづくのがここである。

現地に協力メンバーがいない、遠くて直接のコミュニケーションが簡単にはとれない、そもそも収益性の低い農業からどこでどうやって儲ける?そういった懸念は常につきまとうし、当然の課題といえる。

ただ、どうしても避けたいのは、壁で立ち止まった時にメンバーの誰も責任を持って回答が出せず、
結果的に計画倒れで終わること。仮に一企業の事業計画なのであれば、
投資対効果が見合わない時は見直すことはやむを得ない。

しかし、農業や地域活性化という分野は、先行事例が少ないだけに採算性や実現可能性だけを軸に
判断してしまうと、せっかくの素晴らしい発想がことごとく消えていかざるを得ない。

これはこれまでのゲストスピーカーの話しを聞いても明らかだ。周りの全てを納得させ、
予定どおりに進んだという話しは皆無。周囲の反対を常に浴びながら、
それでも理想や信念を持って粘り強く突き進むことで結果を出してきた事例しか存在しないといえる。

クルーはこうした条件の中、何を指標に進むのか、
そもそも都会から農村や地方にアプローチするのであるから、
それをネックとするのではなく「強み」にしなければならないし、
何より自らが楽しめなければ継続しない。


20100818-2.jpg


今回ご登場いただいた楠本社長のセッションでは、
こうした状況で、多くの学び・気付きのある時間となった。

「資金集めは?」「土地の人を巻き込むには?」。
そもそも「農業や地方と関わっていくことは、ビジネスになるのか?」。
楠本社長は農業や地域に関わる現在様々なプロジェクトを進めているが、
その根底にある考え方・スタンスを知る中で、
肩の力を抜いて前向きにさせられるヒントが幾つもあるように感じた。


楠本社長がまずテーマとしてとりあげたのは、

 「20世紀型の縦割りはもうやめよう」
 「日本はチャンス。事業・志のチャンス。」
 「日本はライフスタイル大国になる必要がある」

"業界"というと全て縦割りになってしまうが、ライフスタイルを
ベースに考えると縦割りは全くあてはまらない。
いわゆる"3業"という捉え方は壊すべき、という話だった。

ここでいうライフスタイルとは「生活様式」ではなく
「生き方・生き様」のこと。


20100818-3.jpg

日本では1985年のプラザ合意以降、グローバル化を突き進むなかで、
もともと持っている「多様な価値観」が軽視されてきた。
一方で「スローシティ・スローフード運動」に象徴されるように
ローカル(地元)を評価・尊重してきたイタリアは、常に外国人観光客を魅了し続けており、
かつて日本の企業を担ってきた職人型企業や徒弟制度も生き残っている、
まさに「ライフスタイル」つまり「生き方・生き様」を商品としてきた。

"下山の時代"といわれる状況ではあるけど、何も悲観的に思う必要はなく、
今後日本が進むべき道は「八百万的・多様な日本の価値観」を再評価して、
何事も組み立てていくが大切。
楠本社長の「日本はライフスタイル大国になる必要がある」という
言葉には、こうした意味が込められているようだ。


20100818-4.jpg

楠本社長が飲食店経営に乗りだしたのは1995年。
現在45もの直営店を持つカフェ・カンパニーであるが、
当初多店舗経営を考えていたわけではなく、経済価値では表せない
「価値の共鳴が発生するコミュニティー」を創り上げたい、という気持ちが出発点だったという。

会社名の「CAFE」は「Community Access For Everyone」の略であるが、
この「Community(コミュニティー)」という言葉にも楠本社長の想いが込められている。

「コミュニティーって、暑苦しい友情だったり、お互いに体温があがる感じで、
それがないと生まれないもの。昔は商店街のおばあちゃんが
近所の子どもたちに声をかけてくれていたけど、これもコミュニティーには欠かせない要素」

以前、別の機会でカフェを"縁側"のような存在ともお話ししていたのを
思い出したが、カフェ・カンパニーが提供するお店はこうした
「コミュニティー」が自然と生まれる仕掛けと空間作りがされており、
これこそが顧客を惹き付けてやまないポイントかもしれない。


20100818-5.jpg


カフェ・カンパニーは農業や地域に関わる様々なプロジェクトを
進めているが、その基本スタンスも興味深いものだった。

「いまの農業は「需給関係」になっているから成り立っていない。
「顔のわかる生産者」が流行ったけど、「生産者」にとっては
「買う側」こそわからないし、そもそも"お客様は神様"ではなく
"仲間をつくっていく"という感覚を取り入れた方がいい。」

さらに印象的だったのが

 「『うちの米、高いよ!』っていう方が売れる」

という感覚。

農業を「買い支える」というのとは全く違った視点。お互いが
イーブンの関係になる。コミュニティーという考え方がここでも重視されており、
実際に企画や商品化に活かされているようだ。


20100818-6.jpg


地域への関わり方やなじみ方に関して、秘訣はあるのだろうか?

楠本社長が少し笑いながら勧めてくれたのが「天下一武道会モデル」。
強敵と最初は対峙しているが"ゴツゴツ"と闘っているうちに最終的には必ず仲間になっている。
そして次にまた強敵が現れ、また仲間になる。とにかくこれの繰り返し。
地域になじむことも一緒で、"ゴツゴツ"やっているうちにわかってもらえるということだった。

「とにかく現場に行かないと始まらない」という言葉は良く耳にするが、
一見何事もスマートにこなしてしまいそうに見える楠本社長が言うと一味違う。


プロジェクトを推し進める上で、予算はどうしているのだろうか?

楠本社長が我々にアドバイスしてくれたのは根本的なことで、
「予算どりよりコンテンツを磨いた方がいい」ということ。
お金は後から付いてくるし、今はメディアもうまく活用できるからということだった。


最後に、記憶に残った話し。

「ドラッカーがいうとおり、社会的意義をもつ仕事は定量化にそぐわない。
地図をひっくり返して新しい時代を作れる時代が正にいまで、
日本はピンチであると同時にチャンス」

これは農業ビジネスデザイン学部のクルーに向けられた応援の言葉だと思った。

いまクルーが取り組んでいるプロジェクトは、定量化してしまうと
"見合わない"ことばかりかもしれない。

でも、その嗅覚は決して間違っていないし、チャンスは広がっている!


20100818-7.jpg


Report TOP > 農業ビジネス学部


▲TOP

学部紹介

デザインコミュニケーション学部
デザインコミュニケーションコース
グローバルデザイナーコース
ブックコンシェルジュコース
桜の園
レストランビジネスデザイン学部
レストランビジネスデザインコース
街マーケティングコース
映画学部
映画俳優コース
映画実践講座集中コース
関西サテライト
農業学部

search


ご興味のある方、ご入学をお考えの方はこちら

COMPANY PROFILEPRIVACY POLICY

©Schooling-Pad All Rights Reserved.