映画学部
学部長からのメッセージ
映画をもっと自由に、楽しくデザインする。
それは、本来の映画の可能性を探る旅なのかもしれない。
今、日本の映画業界は大きな変革の時代を迎えています。それはまずビジネスの構造がとても窮屈になりつつある事が挙げられます。民放各局が映画を直接・間接的に製作し、大手配給会社と広告代理店を巻き込んで、全国区で大ヒットの爆風を起こす。ビジネスとしては至極真っ当で正しい方法ですが、一方で独立系の映画は、それが秀作であろうが知る人も無くひっそりと公開されては見捨てられてしまいます。ベストセラー漫画とテレビドラマの映画化だけがもてはやされる中で、人々が知らない斬新な原作や驚くような才能が生まれる機会は、以前に比べて極端に減ってしまったようです。単館系ミニシアター興隆の時代は去り、今や作家主義を標榜する配給会社は風前の灯火ですし、ここ数年間でDVD販売の市場は全盛期の50%近くにまで落ち込んだと聞きます。毎年400本以上公開される日本映画ですが日本人は先進国でもっとも映画館に行かない国民になってしまったようです。我々はこれらの事実をどう理解したらよいのでしょう?
スクーリング・パッドが目指して来た映画の自由な組み換えは、そう簡単には果たせないのかも知れません。けれどもここから巣立った映画人や俳優はすでに350人を数え、日本映画に風穴を開けるべく、日々挑戦し続けている事は紛れもない事実です。新しいムーブメントを興したいと願う、数多くのクリエーターたちは休日を返上して池尻に集い、毎回真剣なセッションを繰り広げてくれました。映画監督、プロデューサー、テレビディレクター、脚本家、原作小説家、弁護士、予告編制作者、キャスティングプロデューサー、劇場経営者、挙げれば限が無いほど多くのプロフェッショナルたちが、映画の可能性を語り、自身の映画の仲間を求めて来たのです。
2011年からリニューアルされる映画学部は映画作りの中心であるアクティング、プロデューシング、シナリオ・ライティングをより多角的に、より集中的に学べる講座へと変貌を遂げます。もちろん好評の映画俳優コースでは、今まで同様熱いセッションが繰り広げられるでしょうし、新しいカリキュラムも加わり、より幅広い受講生たちを迎え入れるでしょう。
まずは各コースの説明をお読み下さい。そして是非授業風景やレポート、卒業生たちの声にもご注目ください。
映画界に新しい風をおこす、そんな夢を実現しませんか!
映画学部長 李鳳宇
【李鳳宇(り・ぽんう)プロフィール】
映画プロデューサー。1960年京都府出身。朝鮮大学校外国語学部卒業後、84年にパリに留学、シネマテークに通い詰め、映画を仕事とする決意を固める。89年にシネカノンを設立、ポーランド映画『アマチュア』を皮切りに世界各国の映画の配給を始める。93年の初のプロデュース作『月はどっちに出ている』は、在日の主人公たちのリアルな姿を描いた刺激的な作品として話題を呼び、国内外の50以上の映画賞を受賞。以降、話題の日本映画を数多く製作。90年代半ば以降の韓国映画『風の丘を越えて〜西便制』『シュリ』『JSA』などの配給により韓流ブームの火付け役とも言われた。2005年の『パッチギ!』で毎日映画コンクール日本映画大賞、キネマ旬報ベストテン第1位、ブルーリボン賞作品賞など多数受賞。2006年のプロデュース作『フラガール』はインディペンデントで製作配給した映画で初めて日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞。また映画界への貢献を評価され、第29回日本アカデミー賞 協会特別賞(藤本賞)、2003年釜山国際映画祭功労賞、2007年第16回淀川長治賞などを受賞している。主な著書に『「月はどっちに出ている」をめぐる2,3の話』、『日本映画は再興できる』『パッチギ!対談編−喧嘩、映画、家族、そして韓国』(四方田犬彦氏との共著 朝日新聞社刊)、『パッチギ!的 世界は愛で変えられる』(岩波書店刊)など。
今回のセッションは現在公開中『ハードロマンチッカー』の
グ・スーヨン監督にご登壇いただきました。
第8回目の講師は金子修介監督にご登壇頂きました。
11月27日のセッションはゲスト講師として三原光尋監督にお越し頂きました。
11月13日のセッションは来年山本太郎さん主演の映画『EDEN(エデン)』の公開を控え、現在も来月クランクインする映画のオーディション真最中である武正晴監督にご登壇頂きました。